当店で扱っているワックス
朝からバタバタした午前中。小百合と一緒にスマホをおソロにし、記念にと最初の一枚を二人の定番のチューで撮った。
満足した二人はドラッグストアへ。
小百合はメモを片手に片っ端からカートに。
「え〜っと、洗濯洗剤の詰め替えっと。お風呂掃除の洗剤もいるなぁ。それから・・・」
ゆいはカートの中を見てあまりの数に驚くがどれも必要なものばかり。
「ゆい?ゆいは買わなきゃいけない物ある?」
「うんと、ナプキンがなくなるの。売り場はどこだっけかな」
見つけると、いつも使ってるものをいくつかカートに入れる。
「小百合、あれ、もう無くなるんじゃない?」
「何だっけ?あ〜、脱毛クリームね。忘れてた。シェーバーも要るよね」
「うん。でも、冬になるし、少しサボっても良いんじゃない?」
「ダメだよ。女子力なさ過ぎ。それにさぁ・・・何でもない。
もうこれでいいかな?レジ行くよ」
ゆいは、小百合の返事を聞かないでレジに並んだ。
小百合は、会計が済んだらポイント交換をしてもらおうと、ワクワクしていた。
そしてレシートをもらいレジを離れて確認した。
「やったぁ〜♪」
小さな声で、叫ぶとゆいに教えた。
「ゆい、ポイント貯まったよ。ちょっともらってくるね」
小百合はいそいそと店員に交換をお願いした。
ゆいは買った物を両手で持ち、小百合が戻って来るのを待った。
何気なく窓の外を見ると、雲行きが怪しい。今にも雨が降りそう。
「ゆい〜♪交換してもらったよ」
「これで楽しみが増えたね。ねぇ?外ね、急に曇ってきたよ。雨が降りそうな天気なんだけど」
言われて窓を見た小百合はテンションが下がる。
「さっきまで天気良かったじゃんか〜。何でよぉ」
「でも、それまでに洗濯物と布団がしまえたんだから。このままスーパーに行く?」
「う〜ん。帰ろう。荷物だけ置いてから買い物に行こう」
ゆいとの夜景デートを楽しみにしていた小百合は人が変わったみたいに落ち込む。
一旦帰った小百合は荷物を下ろすと、椅子に座りテーブルに頭を伏せる。
「小百合?来週は晴れるよ、きっと。だから、そんなにしょげないで」
ゆいは、何度も小百合の頭を撫でては、一生懸命なぐさめた。
「小百合!こうしよう・・・雨が降らなかったらバスで行く。で、もし雨が降ってきたら車でドライブしよう」
「えっ?いいの?夜、ゆいと出掛けてもいいの?」
「うん!いいよ。小百合が楽しみにしてるのに、どこにも行かないってそんなの私は嫌」
「ありがとう!あまり遅くならない様にするから」
小百合が笑顔になったところで、スーパーへお買い物。
小百合はメモ書きを持って車に乗った。
店に着くと、小百合は一目散に肉売り場と魚売り場へ。
その後ろをゆいのカートが付いていく。
「あるある・・・」
小百合は2割引きの鶏肉や豚肉を入れる。
『あっ、これ半額だ。今日の晩ご飯にしよう」。ゆいには疲れないように精の付くものを食べて欲しいからなぁ』
魚売り場では、鰯が2割引きだが、小百合は買わない。
「小百合?鰯が安いけど、買わないの?」
「うん。こう言う魚の割引は買わないの。今日食べるならいいけど、今日は決まってるから」
「明日は?明日はダメなの?」
「う〜ん。明日でもいいんだけど。食べたい?」
「うん、食べたい。フライとか天ぷらとか」
「いいよ。買っていこう」
他にも赤札物を入れ、野菜売り場では、こっそり入れたピーマンをゆいに外され、1個なら外さないだろうと、かごの中の奥に潜ませておいた。
「ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ。それから・・・長芋。自然薯の方がいいかな。後は、大根っと。
ゆい?今日、納豆はどうする?」
「買ってく!」
納豆が好きなゆいは、陳列棚の前で、まるで子供がお菓子を選ぶように色々触る。
「ゆい?私にはどれも同じに見えるんだけど」
「もぉ〜分かってないね。粒の大きさとか、付いてる出汁とかも色々あんの」
力説はいいから早く選んでほしい・・・。
ゆいは4種類の納豆を選んでカゴに入れた。
「4つでいいの?」
「選べられないもん。究極よ」
何が究極か分からない小百合は、ゆいの言葉に返事もせずパンのコーナーへ行った。
いつもの食パンと牛乳、それからバターを入れ、レジに並ぶ。
「ゆい、買い忘れとかない?」
「大丈夫。思い出したら買ってくるよ」
今日の買い物、いつもの倍の量があり、会計は15000円を超える。
「やっぱり。仕方がないか」
たくさんの買い物に、二人はヘトヘト。
それでも小百合は、帰ってくるなり冷蔵庫へ整理しながら片付け始めた。
「小百合、今日は疲れたでしょ?私も一緒に片付けるから、一休みしよう」
小百合の為に温かいココアを入れ、こたつの上に置いた。
「温かいよ。飲んで」
「ありがとう」
小百合はゆいにもたれ、少しだけ飲んだ。
「なぁ?んか今日は慌ただしかったね・・・ねぇ?小百合」
「・・・zzz」
「あっ、寝ちゃった。お疲れ様」
小百合の髪を優しく撫でたゆいは、背中にブランケットをかぶせソファーに寝かせると、そっと立ち上がり買ってきた物を片付け始めた。
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